閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/SAS)治療について(保険のみ)
当院では保険診療による閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/SAS)治療を行っております。
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/SAS)とは:
睡眠中に気道が狭くなり、何度も呼吸が止まる病気です。肥満は最大の要因の一つです。
いびき、日中の眠気や集中力低下のほか、疲れが取れない、頭痛といった症状を引き起こし、高血圧や糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞のリスクを高めるため、中等度以上の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/SAS)と診断されたら治療が必要です。
いびき、睡眠中に呼吸が止まっていることを周囲に指摘されたことがある方はもちろん、日中の眠気、集中力の低下や起床時の頭痛が気になる方、朝から疲れている方は一度検査を受けることをお勧めします。
当院ではご自宅で行っていただく簡易終夜睡眠ポリグラフィー検査(PSG)を行っております。
簡易PSGにてREI 30以上(1時間当たり30回以上の無呼吸低呼吸)、または精密PSGにてAHI 15以上(1時間当たり15回以上の無呼吸低呼吸)を認めた場合、保険診療の適応となります。
標準治療:CPAP(持続陽圧呼吸療法)
睡眠時に機械を装着し、空気を送り込んで気道を通し、睡眠中の呼吸を確保する対症療法です。症状やリスクを緩和します。機械を装着していない日は効果があまりありませんので、毎晩しっかりつけていただくことがポイントになります。旅行や出張にも携帯できます。特に運転される方は、忘れずにご使用ください。
原因へのアプローチ:体重管理
肥満により気道が圧迫されて引き起こされる閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/SAS)の場合、体重管理により程度を改善したり、CPAP治療を卒業できたりする可能性があります。
BMI 30以上(*1*2)の場合、ゼップバウンド®(チルゼパチド)による薬剤治療の保険診療を行っております。対象となるかどうかは診察により医師が判断いたします。
(*1 BMIは体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)で計算します。例えば身長160㎝、体重70㎏の場合70÷1.6÷1.6=27.3となります。)
(*2 BMI 27以上30未満の場合、栄養指導の保険適応があれば施行できる可能性があります。)
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/SAS)に対するゼップバウンド®(チルゼパチド)を用いた保険診療について:
ゼップバウンド®(チルゼパチド)は保険診療適応内での処方とし、当院では自費診療は行っておりません。
*自費診療において重篤な副作用が発現した場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となりますのでご注意下さい。
ゼップバウンド®(チルゼパチド)を用いた診療は、保険診療のルールに則って行っております。
対象となる方:①②の両方を満たす方のみが保険適応となります。
必須条件① 中等度以上の睡眠時無呼吸(OSA/SAS)と診断されている
簡易PSGにてREI 30以上(1時間当たり30回以上の無呼吸低呼吸)、
または精密PSGにてAHI 15以上(1時間当たり15回以上の無呼吸低呼吸)
必須条件② BMI 30以上である
*BMI 27以上30未満で栄養指導の保険適応のある場合、
対象となる可能性があります。
診療の流れ:診療の方法も保険のルールに則って行います。
必要であればCPAP治療を併用します。基本的な流れを示します。
初診日:身長・体重・血圧等を確認、持参資料にて対象であることが確認できた場合、
栄養指導施行、治療計画書を作成します。
中等度以上の睡眠時無呼吸(OSA/SAS)が未確認で、問診等により疑わしい場合、
簡易PSG検査(ご自宅での検査)を行います。
薬剤治療が安全に行えるかどうか確認するため、採血を行います。
検査:簡易PSG検査はご自宅で行っていただきます。
検査結果はクリニックでお伝えします。
簡易PSGで結論が出ない場合、精密PSG検査を要する場合があります。
検査により対象であることが確認できた場合、栄養指導施行、治療計画書を
作成します。
治療計画書作成後、3か月間食事・運動療法を行います。
生活記録表の記録・持参をお願いいたします。
治療計画書作成後、4か月目に十分な体重減少効果が得られない場合、
薬剤治療の治療計画書を作成、同意書にサインを頂いた上で、
ゼップバウンド®(チルゼパチド)による薬剤治療開始となります。
週1回ご自身で注射していただく治療で、当院での注射は行いません。
消化器症状などの副作用に徐々に慣れていくため、少量で開始し、4週毎に増量します。
1か月毎に通院、体重・血圧測定・採血を行い治療効果および副作用を確認します。
投薬開始から3~4か月で1回目の効果判定となります。
体重減少が認められない場合、ゼップバウンド®(チルゼパチド)の治療は終了となります。
体重減少効果が認められ、維持用量に達して安定して治療できている場合、
通院は1~2か月毎となります。
投薬開始後6~7か月で2回目の効果判定を行います。
CPAPを使わないでPSG検査を行い、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/SAS)の重症度改善傾向
(AHI低下傾向)が認められない場合、ゼップバウンド®(チルゼパチド)の治療は終了と
なります。
薬剤治療開始後2か月毎の栄養指導を行います。
生活記録表の記録・持参をお願いいたします。
*栄養指導の間隔が3か月目以降になった場合、一度薬物療法中止となり、
ここから3か月の食事運動療法期間に戻ってしまうためご注意ください。
薬剤治療は期限があり、最大52週間で処方終了となります。
*体重管理の基本は食事療法・運動療法です。薬剤治療を行う場合も、食事・運動療法を
継続できなければ効果は限定的で、リバウンドのリスクが上がります。
栄養指導を利用して、健康的な生活習慣を身に付けましょう。
*副作用リスクなどにより治療薬が医学的に使用できないと判断されるケースも
あります。
肥満症治療と閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/ SAS)治療の違い:
ゼップバウンド®(チルゼパチド)について肥満症、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/ SAS)両方の
適応がある場合、どちらの治療法を選択するか医師と相談して決めます。
薬剤・週1回在宅自己注射であることは共通です。
初診から薬剤処方開始までの食事・運動療法期間:
肥満症 6か月(2か月ごとの栄養指導あり)
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/SAS) 3か月(1回以上栄養指導あり)
初回投薬に至らない場合:
肥満症 食事・運動療法で7か月目までに肥満症を離脱できた場合
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/SAS)
食事・運動療法で3,4か月目までに体重が十分減った場合
使用量:
肥満症 2.5㎎より4週間毎2.5㎎ずつ増量、10㎎が維持用量。
ただし個別の状況により増減することがある(最大使用量15㎎)。
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/SAS)
2.5㎎より4週間毎2.5㎎ずつ増量、15㎎が維持用量。
ただし個別の状況により減量することがある。
最大使用期間前に薬剤治療終了となる場合:
肥満症 副作用・患者さんのご都合・栄養指導間隔が2か月以上空いた場合
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/SAS)
副作用・患者さんのご都合・栄養指導間隔が2か月以上空いた場合
6~7か月目にPSG検査にてAHIの低下が認められなかった場合
最大使用期間:
肥満症 72週間
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA/SAS) 52週間
*肥満症治療に関しましては肥満症のページをご覧ください。
*2型糖尿病がある場合は糖尿病治療を行う中での治療となります。
マンジャロ®(チルゼパチド)の薬剤治療を行う場合もあります。


