たんぱく質と糖尿病腎症
【埼玉県さいたま市大宮区】 ★大宮駅前の糖尿病内科★
【糖尿病と食事】田中名誉院長
●たんぱく質と糖尿病腎症
①たんぱく質は体でどのような役割がありますか?
A:体をつくる大切な栄養素です。
たんぱく質は、炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素の一つです。筋肉、骨、皮膚、毛髪などをつくり、また臓器や血管・血液のもとになり、ほかの
栄養素を体内で利用できるようにする酵素やホルモンの材料にもなります。
②たんぱく質を制限しなければならないのはどのような人ですか?
A:腎症が進んだ人は制限が必要です。
腎機能を長く保つために、腎症の進行がみられる人は、食事から摂取するたんぱく質の量を制限します。たんぱく質は、体内で最終的に尿素などの老廃物になります。老廃物は腎臓でろ過されて尿の中で排泄されますが、たんぱく質をとり過ぎると、老廃物が増えて腎臓の負担も大きくなり、腎症を進行させると考えられているからです。
③たんぱく質を制限するときに注意することは?
A:摂取エネルギーが減らないようにします。
糖尿病の食事療法では一日の摂取エネルギーが指示されますが、たんぱく質を含む食品をセーブしても、摂取エネルギーは変えられません。たんぱく質を減らした分は、脂質(油脂)や糖質(ご飯など)を増やして摂取エネルギーを保ちます。食品の選び方、たんぱく質の適切な摂取量などについては、病状など、人によって異なります。主治医の指示のもと、良く内容を理解して食事療法に取り組むことが大切です。